公立病院改革プラン
公立病院改革プラン
団体名 | 身延町早川町国民健康保険病院一部事務組合 | |
プランの名称 | 飯富病院経営健全化計画 | |
策定日 | 平成21年3月31日 | |
対象期間 | 平成21年〜平成23年 | |
病院の現状 | 病院名 | 身延町早川町国民健康保険病院一部事務組合立飯富病院 |
所在地 | 山梨県南巨摩郡身延町飯富1128 | |
病床数 | 87床 | |
診療科目 | 内科、外科、整形外科、小児科、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科 心療内科、肝臓専門外来、禁煙専門外科、リハビリテーション科、放射線科、歯科 |
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公立病院として 今後果たすべき役割 (概要) (注)詳細は別紙添付 |
公立病院はその開設の経緯、立地条件、規模等様々です。各々その役割も一様でなく 地域住民の意向により開設されたものであり、住民の意向に沿って運営が行われるべきものです。 当院においても一律に政策医療(高度、特殊、先進的医療)等、医療の範囲を限定すべきでなく、むしろ政策医療より一般医療(地域医療)の充実を目指すべきだと思います。 公共性と企業性を最大限に発揮しつつ、以下の項目を目指す。 (1)人口減少地帯における真の地域包括医療体制の中心的役割を果たす。 (2)へき地医療、在宅医療、地域住民の医療、福祉、介護の確保に貢献する。 (3)救急、急病に24時間対応できる体制と人材確保。 (4)災害拠点病院として災害時には必要な人材、資材を備蓄確保する。 (5)地域医療、へき地医療実践病院モデルケースとして行政と連携しつつ医師の人材育成にその役割を果たす。 (6)過疎地域での職場の確保に貢献。 (注)詳細は 別紙1 |
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一般会計における 経費負担の考え方 (操出基準の概要) |
一般会計からの繰入金は本来、不採算経費等に対してルールに基づいて繰り入れられるべきもので、赤字補填という要素ではない。したがって、繰入金は経営状態が改善したから繰入金を減らされるとか 赤字が出たから補填額が増えるという性質のものではない。ルールどおりに繰り入れられるのが本来のすがたである。独立採算制で運営していくためには不可欠である。 病院経営において経常収支の黒字化が病院に関する普通・特別交付税の範囲を超えた一般会計からの繰入金にたよらなければならないとすれば問題であり、そのような事態を招いた原因は改善・除去を考えるべきである。そのルールとは、公立病院の立地条件や設立の経緯などから「地方公営企業繰り出し基準」を基に病院事業の現状を踏まえ、独自の水準を設定する場合もあり得ると考える。当院自体が不採算地域に存在し、また12ヵ所の診療所への年間650回以上の出張診療も不採算部門であるが、これらは交付税の対象となっている。 しかし、当院のもう一つの特徴である在宅部門も不採算部門である。在宅ステーションが実施している訪問看護 訪問介護、居宅支援事業者及び往診診療部門も不採算である。さらに、併設の介護老人保健施設への医師、看護師等の兼職費用や共用部分である厨房関係の調理師等の人件費や光熱水費等は財政的支援対象かどうか 今後、普通交付税、特別交付税措置を基に、3年に1度基準の見直しをおこなっていく。 (注)操出基準の概要は 別紙2 |
経営効率化に係る計画
財務に係る数値目標(主なもの)
19年度実績 | 20年度 | 21年度 | 22年度 | 23年度 | 備考 | |
経常収支比率 | 96.6 | 100.2 | 101.1 | 101.7 | 101.9 | |
医業収支比率 | 94.2 | 98.6 | 99.6 | 100.6 | 100.9 | |
職員給与費比率 | 59.9 | 57.7 | 57.9 | 56.8 | 56.6 | |
薬品比率 | 14.9 | 14.5 | 14.6 | 14.3 | 14.3 | |
材料比率 | 23.6 | 23.1 | 23.4 | 23.1 | 23.1 | |
病床利用率 | 88.6 | 93.0 | 93.0 | 93.0 | 93.0 |
上記目標数値設定の考え方 | (経常黒字化の目標年度:21年度) 経費削減として変動経費である薬品費、診療材料費、給食材料費、医療機器、検査委託料の抑制、削減をする。病院と老健施設全ての病床を一元管理し入院患者、入所者の効果的な移動により病床利用率90%を維持する。診療報酬のマイナス改定という厳しい状況の中、健診(人間ドック)・検診、リハビリ等の充実を図り、経常黒字化を目指す。医業収益との相関関係にある給与費比率をフレックスタイム制の導入により超過勤務手当てを削減し、諸手当の見直し、人事評価制度の導入により一律定期昇給の是正を実施しながらその比率を下げる。 |
公立病院としての医療機能に係る数値目標(主なもの)
19年度実績 | 20年度 | 21年度 | 22年度 | 23年度 | 備考 | |
救急車による患者数 | 368 | 380 | 400 | 400 | 400 | 単位:人 |
時間外・深夜の患者数 | 416 | 430 | 430 | 430 | 430 | 単位:人 |
手術件数 | 62 | 60 | 60 | 60 | 60 | 単位:回 |
健康相談・出張健康講座開催数 | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 | 単位:回 |
効率経営化に係る計画
数値目標達成に向けての具体的な取組及び実施時期
数値目標達成に向けての具体的な取組及び実施時期
民間的手法の 導入 | 変動経費削減や給与費抑制等徹底した経費削減を実施し、経常収支比率100%を目指す。一方、職員のやる気、経営意識の高揚を図るため人事評価制度の確立人事権と独自の給与体系の導入等の経営手法を検討していく。 (注)詳細は別紙3 |
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事業規模・形態の見直し | 峡南医療圏内での再編ネットワーク化の状況で事業規模・形態の見直しは考えていかなければならないが、いずれにしても公共性と企業性は発揮していかなければならない。 より一層実現しやすい組織形態としては公営企業法の一部適用より全部適用が妥当と考える。 実現については、全くの未定だが、多方面より検討していく。 (注)詳細は別紙3 |
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経費削減・ 抑制対策 | (1)職員の人員削減等による適正配置をする。平成23年までに事務職員2名を削減し、人件費の削減を図る。 (2)外部委託と委託料の見直し。検査委託料を業者の切り替えにより削減。医療備品リース契約切り替えにより削減。職員被服費リース契約切り替えにより削減。 リネン・病衣リース契約切り替えにより削減。 空調施設部分委託契約から一括委託契約に切り替えにより削減。 減菌業務(サプライ業務)を外部委託に切り替え、常駐職員の人件費削減。 (3)人事考課による昇給方法や特殊勤務手当を含む諸手当の見直し。 (4)医薬品、医療消耗品、医療機器の調達については複数メーカー間で競争原理を働かせ購入価格の削減。在庫管理の一元化を徹底し、在庫量の適正化を図る。特に医薬品購入については納入業者を1社〜2社に絞ることにより価格競争効果を引き出す。 (5)衛生費の削減。特にゴミ処理費の削減。感染性廃棄物、生ゴミ、一般ゴミの分別処理により削減。さらに資源ゴミの買取回収の業者を利用しさらに処理費の削減。 (6)電気料の節約。職員のエレベーター使用の制限。時間外の照明の節約。空調の稼働時間の制限等を実施し削減。 (注)詳細は別紙3 |
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収入増加・ 確保対策 | (1)病院への通院方法の充実。病院独自で身延町、早川町全域に患者送迎を14コース設置し、町営バスやデマンド交通システム、民間のバス路線との補完性を保ちながら患者の足の充実を図る。 (2)過疎地域における介護力の不足に対し、デイサービス、ショートステイの受け入れ態勢の拡大充実を目指す (3)老人保健施設を併設しているため、病院の一般・療養病床と老健のベッドの一元管理をし、それぞれの病床利用率を上げる。 (4)診療行為別の分析をし、DPC等の包括診療費算定方式の導入を検討。また減点に対し査定点数に基準を設け再審査請求を定期的に実施する。 (5)栄養管理指導室を創設。管理栄養士を常駐させ特定保健指導を含め、入院患者全般にいつでも栄養指導ができる体制をつくる。 (6)ペインクリニックとして整形外科の充実を図る。関連として増改築の際、リハビリ室の拡大充実、理学療法士、作業療法士の増員、高度医療機器の導入予定。高齢化の進む地域における慢性期医療として機能回復リハビリの充実を図る。 (7)「選ばれる病院」の実現に「接遇研修会」の年間計画を立て、接遇技術を磨き、患者の尊厳を重要視した医療サービスの質を向上させる。 (注)詳細は別紙3 |
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その他 | (1)地域包括医療ケアシステムの更なる実践により住民のあらゆる健康、疾病、予防に対して総合的、継続的、全人的に対応できるよう行政、地域を含む政策を展開する。 (2)病院内に「地域連携室」を設置し、行政との密接な関係を築きながら、住民健診、特定検診、特定保健指導を積極的に受託する。 (3)公立病院として住民の基礎データの把握をし、予防部門の充実と国保財政軽減を図る。 (4)高性能医療機器の計画的整備をおこない、住民の信頼を得る。 (5)地域の健康推進員の活用。 (6)出張健康講座の計画的な開催をする。 (7)各介護保険施設、両町福祉保健課や管轄保健所との効果的な情報の伝達を含め、サービスが点から線へ、線から面へ流れるシステムを構築する。 |
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各年度の収支計画 | 別紙のとおり | ||
その他の特記事項 | |||
病床利用率の状況 | 17年度 92.9% | 18年度 89.0% | 19年度 88.6% |
病床利用率の状況を踏まえた病床数等の抜本的見直し、施設の増改築計画の状況等 | 飯富病院の病床利用率は90%で、現在の病床数の変更は考えていません。 平成21年度より病院の増改築を計画しています。耐震構造の補強と病室療養環境の充実を主な目的として実施します。一人当たり療養面積を拡大するため、6人部屋を廃止し、4人部屋、2人部屋とし、個室を13室から23室に増設する。工事は平成21年9月頃着工となり、平成21年度中に一期工事(新館建設、旧館一階耐震補強)、平成22年度に二期工事(旧館本館改修、二階耐震補強)を実施し、平成22年7月に終了予定。国県への補助金申請手続きや身延町、早川町との資金計画についての打ち合わせを進めている。 |
再編・ネットワーク化に係る計画
二次医療圏内の公立病院等 配置の現況 |
峡南医療圏には、市川三郷町立病院、社会保険鰍沢病院、峡南病院、しもべ病院、身延山病院と当院の六施設がある。北部の市川100床と鰍沢150床は深刻な医師不足でその対策が考えられている。一方、峡南中南部の身延山病院と当院は自治医科大学出身医師が勤務する病院で、医師不足はほとんど存在しない。しかし、人口減少が著しく経営的に苦しい状況が続いている。 | |
都道府県医療計画等における 今後の方向性 |
患者数の減少や高齢化のさらなる進展が見込まれる中、経営基盤を確立し、さらに充実した慢性期医療・在宅医療を提供していくため、また医療機関として魅力を高め医師の安定的確保が図られるよう、将来的な経営主体の統合の可能性を含め、連携の在り方を検討。 また、在宅医療のモデル事業を実施し、連携体制の構築、在宅医療研修プログラムの策定を行うことにより、先進的な在宅医療を実施していく地域として、内外の医師の確保を図る方法も併せて検討。 |
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再編・ネットワーク化計画の 概要及び 当該病院における 対応計画の概要 (注) 1 詳細は別紙添付 2 具体的な計画が未定の場合は、 (1)検討・協議の方向性 (2)検討・協議の体制 (3)検討・協議のスケジュール、 結論を取りまとめる時期を明記すること。 |
〈時期〉 県の再編・ネットワーク化構想の動向を見極め、時期・方法を検討するが、平成25年までに計画を完了予定。 |
〈内容〉 峡南医療圏を北部と南部に分け再編ネットワーク化を図る方向。 北部については、市川三郷町立病院と鰍沢病院のネットワークが図られているが、鰍沢病院の存続が不明確で、今後については不明である。 中南部については、県の再編ネットワーク化構想に沿ったかたちで公立と民間の3病院の統合を含めたネットワーク化が開始されようとしている。将来の地域医療、福祉を維持するためには官民一体となった協力体制が必要であることは合意点に現在あるが、公立と民間との業務提携がどのように推移するかは不透明である。 |
経営形態見直しに係る計画
経営形態の現況 (該当箇所に○を記入) |
公営企業法財務適用 公営企業法全部適用 地方独立行政法人 指定管理者制度 ○一部事務組合・広域連合 |
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経営形態の見直し(検討)の方向性 (該当箇所に○を記入、 検討中の場合は複数可) |
○公営企業法全部適用 地方独立行政法人 指定管理者制度 民間譲渡 変更予定はありません 診療所化 老健施設など、医療機関以外の事業形態への以降 |
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経営形態見直し計画の概要 (注) 1詳細は別紙添付 2具体的には計画が未定の場合は、 (1)検討・協議の方向性 (2)検討・協議の体制 (3)検討・協議のスケジュール 結論を取りまとめる時期を明記すること。 |
(時期) 具体的な計画は平成25年をめどに計画完了予定。 |
(内容) 現在は一部事務組合であるが、公共性、企業性をより発揮するには全部適用の方向も考えている。 スケジュールとしては (1)院内管理会議及び「病院経営改革評価委員会」で3ヶ月程度検討。 (2)職員説明会(第1回)先進病院視察研修。 (3)職員説明会(第2回) (4)議案作成 (5)3月議会において審議・承認。の予定で時期は未定。 |
点検・評価・公表等
点検・評価・公表等の体制 (委員会等を設置する場合その概要) |
公立病院改革プラン及び増改築検討委員会を改め「病院経営改革評価委員会」として設置し、毎年度の決算と併せて改革プランの取り組み状況の点検・評価・公表をおこなう。 また、改革プランの内容の変更等に際しても当委員会において審議し、意見を反映させる仕組みとする。 (構成メンバー) (早川町)町長、財政担当課長、福祉保険課長、保健師 (身延町)町長、財政課長、福祉保健課長、保健師 (組合議会関係)議長、副議長 (病院)院長、副院長、総看護師長、事務長 |
点検・評価の時期 (毎年○月頃等) |
毎年度の決算と併せ、9月とする。 |
その他特記事項 | 公的資金補償金免除繰上償還を平成20年度末に実施する。当院では昭和55年に7.5%昭和56年に7.3%の高利で政府資金より貸付を受けた企業債があり、平成20年度末現在で約84百万の未償還額がある。今回、元金の約75百万円を借り換えせず留保資金より一括償還することにより利子分約9百万の軽減を目指す。 |